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2022年9月2日
「歯の神経を抜かないといけなくなってしまったけど、抜いても大丈夫なのか」
このように不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
歯の神経を抜くと聞くと、怖いですよね。
しかし、歯を抜くよりは、神経を抜く方が良いのです。
今回は、歯の神経についてご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
歯の神経には一体どのような役割があるのでしょうか。
1つ目は、水分や栄養を運ぶ役割です。
神経部分に通っている血管から歯の中に水分や栄養を運んでくれます。
それによって、歯が割れることなく、固い状態を保てるのです。
水分や栄養が足りないと、歯が脆くなり、色が変化してしまう危険性もあります。
神経は、歯を綺麗かつ健康な状態にしてくれる大切な役割をしています。
2つ目は、歯の異常を教えてくれることです。
歯の神経は、歯に何らかの異常がないかを教えてくれます。
知覚過敏で歯がしみたり、虫歯が進んで痛みがあったりするのは、神経が原因です。
痛みを感じさせることで、歯に異常が起こっていることを教えてくれます。
もし、痛みを感じたら、何か異常があるということなので、なるべく早めに歯科医院に行くことをおすすめします。
歯を抜くことと神経を抜くことは同じことではないかと思われる方は多いのではないでしょうか。
神経を抜くより、歯を抜く方が簡単で、すぐ治療ができます。
しかし、神経を抜く方が、メリットがあるので、神経を抜くことを判断するのです。
そのメリットとは何でしょうか。
1つ目は、自分の歯でしっかりと食べ物を噛めることです。
歯を抜いてしまうと、そこに歯の代わりになるものを入れる必要があります。
例えば、入れ歯やインプラントなどです。
両側に歯がある場合は、ブリッジを作るという選択肢もあります。
このように、さまざまな治療方法がありますが、どの治療方法でも自分の歯ではなく、歯の代わりです。
天然歯が最もよく噛めます。
歯を抜くのではなく、神経を抜くことで、天然歯を保存でき、食事も気兼ねなく楽しめるでしょう。
2つ目は、顎の骨が吸収されないことです。
歯を抜くと、歯が生えていた場所の骨が、骨としての役割をする必要がないと誤解して溶け出します。
このことを歯科用語では、「吸収」と言います。
骨は、一度溶けてしまうと元通りにするためには外科処理をする以外に方法はありません。
顎の骨を吸収させないために、自分の歯を残すことは大きな意味があります。
3つ目は、周辺の歯が移動しないことです。
歯は両側の歯と支え合って並んでいますよね。
しかし、歯を抜いて放置していると、だんだん傾いてきます。
嚙み合っている反対側の歯は、噛み合う歯がなくなって伸びてくる可能性があります。
歯を抜くと、トラブルの危険性が高まります。
4つ目は、どんな患者さんにも適用できることです。
抜歯をするときは、患者さんの持病は服用している飲み薬を確認する必要があります。
神経を抜く処置は、局所麻酔薬に注意すれば良いので、多くの患者さんに適用できます。
神経のない歯は、水分や栄養を運べないので、痛みの症状に気付きにくくなります。
そのため、本来より約10年、寿命が短くなります。
また、生存期間は約5年から30年です。
歯の神経を抜くと、歯の寿命が短くなる理由には、以下のことが考えられます。
1つ目は、痛みを感じなくなるため、虫歯が大きくなるまで気付かないからです。
痛みを感じないので、本来ならば感じる痛みが把握できません。
そのため、気付いたときにはすでに重度な状態まで進行しているのです。
2つ目は、歯の根が割れやすくなるからです。
栄養が十分に届かないので、歯が脆くなり、歯の根が割れやすい状態に陥ります。
特に、被せ物の土台になるコアに金属を使っている場合、コアと接触して割れてしまう可能性もあります。
3つ目は、根の先で細菌感染を起こすことがあるからです。
根管治療で残してしまった細菌や治療後に根管に入った細菌によって歯の根で感染が起きることがあります。
これを「根突病変」と言い、膿が出て、激痛が起こります。
4つ目は、自分の歯と人工物との境目が不潔になりやすいからです。
少し削ったあとの天然歯には、被せ物や詰め物を取り付けます。
接着するものなので、段差や隙間が全くない状態にはできません。
その段差や隙間に汚れが溜まってしまい、虫歯になる可能性が高くなってしまいます。
このような4つの理由から、歯の寿命が短くなってしまうので、定期的にメンテナンスに行くのが安心でしょう。
今回は、歯の神経についてご紹介しました。
歯を抜くよりも神経を抜く方が、その後のリスクを減らせます。
しかし、虫歯になったときにすぐに気づきにくいので、定期的に歯科医院に行くようにしましょう。
歯で何かお困りの方は、お気軽に当院までご相談ください。
何か不安がある場合は、早めの治療がおすすめです。