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2024年8月13日
入れ歯とは
入れ歯は、歯を失った際にその機能と見た目を補うための補綴装置です。部分的に歯がない場合には部分入れ歯、すべての歯がない場合には総入れ歯を装着することが一般的です。入れ歯は、歯科医師が個々の口腔内の形状に合わせて作成しますが、時間が経つにつれて「入れ歯が合わない」と感じることが増えてきます。では、なぜ入れ歯が合わなくなるのでしょうか?
入れ歯が合わなくなる最も一般的な原因は、口腔内の骨や歯茎の変化です。歯を失うと、歯を支えていた顎の骨が徐々に吸収されていきます。これにより、歯茎も時間とともに縮んでいきます。骨が吸収され、歯茎が萎縮すると、入れ歯と口腔内の形状が一致しなくなり、入れ歯が緩く感じたり、不安定になったりします。特に総入れ歯の場合、顎の骨が著しく変化することで、フィット感が損なわれることが多いです。
骨の吸収速度は個人差があり、年齢や健康状態、食生活などの影響を受けます。一般的に、歯を失った直後の数年間が最も吸収が進む時期であり、その後も緩やかに進行します。したがって、入れ歯のフィット感が良かったとしても、数年後には調整が必要になることが多いです。
食生活の変化も入れ歯のフィット感に影響を与えることがあります。硬い食べ物や粘り気のある食べ物を頻繁に食べることで、入れ歯に過度の圧力がかかり、変形や損傷が生じることがあります。また、噛む力が強すぎると、入れ歯の適合が悪くなる可能性があります。
体重の増減も、入れ歯が合わなくなる一因です。体重が増えると、口腔内の脂肪組織も増え、入れ歯がきつく感じることがあります。逆に、体重が減少すると、脂肪組織が減り、入れ歯が緩くなることがあります。特に急激な体重の変動があった場合、入れ歯のフィット感が大きく変わることがあります。
入れ歯は、日常的に使用することで少しずつ摩耗し、劣化していきます。特に、入れ歯の人工歯部分は、噛む力や食べ物の影響を受けて摩耗が進みます。また、入れ歯の基盤部分も時間とともに劣化し、変形することがあります。これにより、入れ歯のフィット感が徐々に悪くなり、合わなくなることがあります。
入れ歯の定期的なメンテナンスを怠ると、摩耗や劣化が進みやすくなります。入れ歯は、定期的に歯科医師によるチェックと調整が必要です。適切なメンテナンスを受けることで、入れ歯の寿命を延ばし、快適なフィット感を維持することができます。
入れ歯が合わなくなる原因として、初期の作製時に問題があった可能性も考えられます。例えば、口腔内の形状を正確に反映していなかったり、使用者の噛み合わせが適切に調整されていなかった場合、入れ歯が合わなくなるリスクが高まります。この場合、早期に調整を行うことで、フィット感を改善することができます。
入れ歯は、長期間の使用によって少しずつ変形することがあります。特に、入れ歯が頻繁に外れる、落ちる、またはガタつくようになった場合は、入れ歯自体が変形している可能性があります。こうした場合には、入れ歯を再作製するか、調整を行う必要があります。
歯茎の健康状態が変化することで、入れ歯のフィット感に影響を与えることがあります。例えば、歯茎が炎症を起こしたり、歯肉炎や歯周病が進行すると、歯茎の形状が変わり、入れ歯が合わなくなることがあります。歯茎の健康を保つためには、定期的な歯科検診と適切なケアが必要です。
口腔内での外科手術や治療が行われた場合も、入れ歯が合わなくなる原因となることがあります。手術後に歯茎や顎の形状が変わった場合、入れ歯の再調整が必要になることがあります。また、インプラント治療を受けた場合にも、既存の入れ歯が適合しなくなることがあります。
入れ歯が合わなくなると、日常生活にさまざまな影響を及ぼします。例えば、食事がしにくくなったり、話しづらくなったりすることがあります。また、入れ歯が原因で口内炎や傷ができることもあります。これらの問題は、生活の質を低下させ、精神的なストレスにもつながることがあります。
入れ歯が合わなくなったと感じた場合、早期に歯科医師に相談することが重要です。フィット感が悪いまま放置すると、さらに口腔内の状態が悪化し、修正が困難になることがあります。定期的な歯科検診を受け、入れ歯の状態をチェックすることで、早期に問題を発見し、適切な対応を行うことができます。
入れ歯が合わなくなる原因は、口腔内の骨や歯茎の変化、生活習慣の影響、入れ歯の摩耗、初期の作製や調整の問題、そして口腔内の健康状態の変化など、さまざまな要因が関与しています。入れ歯のフィット感が悪くなったと感じたら、早めに歯科医師に相談し、適切な対策を講じることが大切です。定期的なメンテナンスと適切なケアを行うことで、入れ歯の寿命を延ばし、快適な生活を続けることができます。