スプリント療法(マウスピース療法)とは

2024年9月15日

こんにちは! ほほえみ歯科訪問部です!!

スプリント療法は、顎関節症や歯ぎしり、食いしばりなどの症状を緩和するために行われる治療法の一つであり、専用のマウスピース(スプリント)を使用することが特徴です。顎関節症や歯ぎしりは、日常生活でのストレスや噛み合わせの不調などが原因となることが多く、放置すると頭痛や顎の痛み、さらには歯の損傷につながることがあります。このような症状を軽減し、患者の生活の質を向上させるために、スプリント療法が用いられます。

スプリントは、歯列に合わせて個別に作られた透明なマウスピースです。材質は通常、硬質レジンやアクリル樹脂で作られ、患者の上顎または下顎に装着します。この装置は、就寝中に使用することが一般的ですが、症状の度合いによっては日中に装着することもあります。

顎関節症とスプリント療法

顎関節症は、顎の関節や筋肉に異常が生じる病態を指します。症状には、顎の痛み、耳の周辺の痛み、開口時にカクカクする音がする、口を大きく開けにくいなどがあり、これらの症状が慢性的に続く場合、スプリント療法が効果的とされています。

顎関節症の主な原因としては、噛み合わせの問題、ストレス、過度の歯ぎしり、顎の負担などが挙げられます。スプリント療法では、噛み合わせを改善し、顎関節にかかる負担を軽減することを目的としています。スプリントを装着することで、顎の筋肉の緊張を緩和し、顎関節にかかる力を均等に分散させることができます。

顎関節症は女性に多い傾向があり、特に20代から40代にかけての女性に発症することが多いとされています。これは、ホルモンバランスや筋肉の柔軟性、生活習慣などが影響していると考えられています。顎関節症の治療には、スプリント療法以外にもマッサージや薬物療法、物理療法が用いられることがありますが、スプリント療法は非侵襲的な方法として多くの患者に適しています。

歯ぎしり・食いしばりとスプリント療法

歯ぎしりや食いしばりは、睡眠中に無意識に歯を強く噛みしめたり、擦り合わせたりする行動を指します。これらの習慣は、歯の摩耗や破損、歯周病の悪化、顎関節症の進行など、多くの問題を引き起こします。歯ぎしりや食いしばりの原因としては、ストレスや精神的な緊張、噛み合わせの不調などが関与していると考えられています。

スプリント療法は、歯ぎしりや食いしばりによって歯や顎関節にかかる負担を軽減するために非常に有効です。スプリントを装着することで、歯と歯が直接接触することを防ぎ、歯の摩耗を抑えるだけでなく、顎関節にかかる圧力も分散されます。また、歯ぎしりや食いしばりによって引き起こされる頭痛や肩こりの緩和にも寄与します。

歯ぎしりや食いしばりが慢性的に続くと、歯の摩耗が進行して歯の高さが低くなり、噛み合わせのバランスが崩れる可能性があります。これにより、顎関節症のリスクが高まるだけでなく、歯や歯茎にかかる負担が増加し、歯周病の進行が早まることもあります。スプリント療法を行うことで、これらのリスクを軽減し、健康的な歯や顎の状態を維持することが可能です。

スプリント療法のメリットとデメリット

スプリント療法には多くのメリットがありますが、同時に注意すべきデメリットも存在します。

メリット

  1. 非侵襲的な治療法
    手術や抜歯などの侵襲的な治療を避けることができ、患者の負担が少ない。
  2. 顎の負担を軽減
    顎関節にかかる圧力を分散し、筋肉の緊張を緩和する効果がある。
  3. 歯の摩耗を防ぐ
    歯ぎしりや食いしばりによる歯の摩耗や破損を防止し、歯の健康を守る。
  4. 症状の緩和
    頭痛、肩こり、耳鳴りなどの関連する症状を軽減する効果が期待できる。

デメリット

  1. 適応期間が必要
    スプリントを長時間装着する必要があり、慣れるまで時間がかかる場合がある。
  2. 個別に製作が必要
    患者一人ひとりの歯列に合わせてオーダーメイドで製作されるため、コストがかかる。
  3. 効果に個人差がある
    症状や原因によっては、スプリント療法だけでは十分な効果が得られない場合もある。

スプリント療法の適応

スプリント療法は、以下のような症状や状況に対して適応されることが多いです。

  • 顎関節症(顎の痛みや関節音、開口障害がある場合)
  • 歯ぎしりや食いしばりが原因で歯や顎に痛みがある場合
  • 睡眠中に無意識に歯を擦り合わせる習慣がある場合
  • 歯の摩耗が進行している場合
  • 顎や顔、肩、首にかけての筋肉の緊張が強い場合

これらの症状が見られる場合、スプリント療法は非常に有効な治療法となります。スプリントの装着によって、噛み合わせのバランスを整え、顎関節や筋肉にかかる負担を軽減することで、痛みや不快感が軽減されることが期待されます。

スプリント療法の製作と使用方法

スプリントは、患者の歯型を取ってから作製されます。まず、歯科医院で歯型を取るための印象材を用いて、上下の歯列の型を取ります。この型をもとに、技工士が患者に最適なスプリントをオーダーメイドで製作します。スプリントが完成した後、患者に装着してもらい、噛み合わせやフィット感を確認します。

使用方法としては、通常は就寝中に装着することが多いですが、場合によっては日中にも装着することが推奨されることがあります。スプリントの使用期間や頻度は、患者の症状や治療の進行状況に応じて異なりますが、数週間から数ヶ月の使用が一般的です。また、定期的に歯科医のチェックを受けることで、スプリントの効果や噛み合わせの状態を確認し、必要に応じて調整が行われます。

スプリント療法の効果と治療の継続

スプリント療法は、比較的短期間で効果が現れることが多いですが、症状の程度によっては長期的な治療が必要となる場合もあります。スプリントを使用することによって、顎関節症や歯ぎしり、食いしばりの症状が緩和されることが多いですが、完全に治癒するためには継続的な治療が必要です。症状が軽減された後も、再発を防ぐためにスプリントの使用を継続することが推奨されることがあります。また、スプリント療法に加えて、生活習慣の改善や他の治療法と併用することで、より効果的な結果を得ることができます。

スプリント療法の併用治療

スプリント療法は、単独で行うこともありますが、他の治療法と併用することによって、さらに効果が高まる場合があります。以下は、スプリント療法と併用されることが多い治療法です。

  1. マッサージ療法
    顎周りの筋肉をほぐすことで、筋肉の緊張を緩和し、顎関節への負担を軽減します。マッサージを行うことによって、痛みやこりが軽減され、スプリントの効果をさらに高めることができます。
  2. ストレス管理
    歯ぎしりや食いしばりは、ストレスが原因となることが多いため、ストレスを管理することが重要です。リラクゼーション法やカウンセリング、適切な運動を取り入れることで、ストレスを軽減し、症状の悪化を防ぎます。
  3. 物理療法
    温熱療法や低周波治療などの物理療法は、顎関節や周囲の筋肉に対する治療効果を高めることができます。これにより、痛みやこりが軽減され、スプリント療法の効果がさらに向上します。
  4. 薬物療法
    痛みが強い場合や筋肉の緊張が強い場合には、鎮痛薬や筋弛緩薬が処方されることがあります。これらの薬を併用することで、症状の緩和を早めることができます。
  5. 矯正治療
    噛み合わせの問題が顎関節症や歯ぎしりの原因となっている場合、矯正治療を行うことで噛み合わせを改善し、根本的な解決を図ることができます。矯正治療とスプリント療法を併用することで、より効果的な治療が可能となります。

スプリント療法のメンテナンス

スプリントは、定期的にメンテナンスを行うことが重要です。使用している間にスプリントが汚れたり、摩耗したりすることがあるため、適切な手入れが必要です。スプリントは専用のブラシや洗浄液を使用して清潔に保つことが推奨されており、毎日のケアが不可欠です。また、定期的に歯科医院でスプリントの状態をチェックし、必要に応じて調整や交換を行うことが大切です。

スプリントが適切にケアされていない場合、口内で細菌が繁殖し、口臭や歯周病の原因となることがあります。また、スプリントが摩耗してしまうと、効果が減少する可能性があるため、定期的な交換やメンテナンスが重要です。

まとめ

スプリント療法は、顎関節症や歯ぎしり、食いしばりなどの症状に対して非常に有効な治療法です。非侵襲的であり、手軽に始められるため、多くの患者に適しています。スプリントを使用することで、顎関節や歯にかかる負担を軽減し、症状の改善を図ることができます。

ただし、スプリント療法は長期間の使用やメンテナンスが必要であり、継続的に治療を行うことが重要です。また、スプリント療法だけでなく、他の治療法と併用することで、さらに効果を高めることが可能です。生活習慣の改善やストレス管理を行うことも、症状の根本的な改善に繋がります。

顎関節症や歯ぎしりに悩んでいる場合は、スプリント療法を検討してみる価値があります。専門の歯科医師と相談し、適切な治療法を選択することで、より快適で健康的な生活を取り戻すことができるでしょう。

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