診療時間 平日・土|9:00〜19:00
お口の問題を抱えて辛いのに歯医者に行くのを我慢して、歯医者に行けない方がたくさんいらっしゃいます。
また、歯科の訪問診療は患者様やご家族の方から診療のイメージとして、
「口の中をみて掃除してもらうだけ?」
「もし治療になったら、外来に通院しなくてはいけないんでしょ?」
などと、言われることがありますが、そのような事はありませんのでご安心ください。
当院では、訪問先でも虫歯の治療や歯石取りが出来るように、持ち運びが出来るのに歯科と同じ治療を可能にするポータブルの診療ユニットがありますので、自宅や施設でも治療する事が可能です。
他にも、歯型を採って、詰め物や被せ物を作ることもできます。
・ 治療時の体勢
・ 姿勢の維持
・ お口をどれくらい開けられるか
・ 治療に対しての拒否が無いか
など、治療中の姿勢を保つことができなかったり、強い拒否がある方は、治療を提供することができない場合もございますが、基本的には訪問診療でも外来にいらっしゃる患者様と同じ歯周病治療を受けることができます。
保存療法も得意とし、超音波スケーラーやハンドスケーラーで細かな歯石も除去し、一本でも多く健康な歯の維持に努めています。
最適な治療をご提案させていただくために、患者様ご本人や、ご家族の方からの希望をお聞きし、全身状態や歯科的な問題を考慮して進めていきます。
高齢者は、さまざまな病気を発症し病気の治療を受けるため、いろいろな種類の薬を服用します。そのため、高齢者に対する歯周病治療は難しくなります。
高齢者医療における重点疾患の一つとして、骨粗鬆症があげられます。
骨粗鬆症は、加齢とホルモン量の低下によって生じる骨折のリスクと、介護度の必要性を高める病気です。
骨粗鬆症の治療薬を飲んでいるとまれに、歯周病治療や抜歯を行った後の傷の治りが悪く、顎の骨が露出し壊死してしまうことがありますので、骨粗鬆症の治療を受ける前に、しっかりと歯周病の治療を受けておくことが重要です。
高齢者は細菌感染のリスクが高くなることがあります。
それは、免疫力が若い人に比べで低下してしまっているからです。
口の中には、歯周病原菌など多数のさまざまな細菌がいて、その細菌が血液の流れを介して心疾患など、全身状態の悪化につながることがあります。
口の感染症を減らすための術前後の歯科治療は、変形性関節症による疾患や人工関節手術などの全身麻酔下での手術、ステロイド療法、そして、がんの放射線治療や化学療法など治療後の発熱や肺炎のリスクを減らすためにも、とても大切です。
近年、日本は急速な高齢化が進んでいます。
平均寿命と健康寿命の差が大きくなり、要介護者が増加することが社会問題となっているのです。
「健康寿命」とは、健康上の問題で日常生活に制限なく生活できる期間を指します。
心身ともに自立して、いかに健康的に生活できる期間を延ばすかに関心が高まっています。
要介護の大きな要因となる運動器疾患として骨粗鬆症による骨折や変形性関節症があります。
歩行機能の低下で介護が必要になる可能性が高まる状態や、加齢により筋肉が低下する状態や加齢により身体能力が低下した状態などの要介護の危険因子は、食事を食べる量が減ったことにより、栄養が偏ってしまう事が関係しています。
これらの一連の流れを予防するために、近年では、口から十分な栄養を摂取することが、あらためて重要視されており、高齢になっても自分の歯で食事ができるよう健康な歯を維持することが大切になります。
高齢者は早期から適切な歯周病治療を継続的に行うことで、健康寿命の延長に貢献することが期待されます。
身体機能の治療に加えて、家族関係や社会関係の改善、そして、歯周病治療などお口の治療を含めた栄養状態の改善によって、再び健常な状態に戻る可能性があると考えられているからです。
歯周病は成人のおよそ7割の方が罹患しているといわれます。
しかし、この数値は歯肉炎等の初期で軽度の歯周病の症状がある方も含まれているので、おそらく問題となっている歯周病罹患者は成人の10%くらいではないか?と考えられています。
歯周病の罹患率は、40代以降で圧倒的に多くなります。
なぜなら、特に男性は働き盛りで忙しく、歯科受診をあまりしない傾向にあります。
不摂生な生活習慣によって肥満や糖尿病などの生活習慣病や、喫煙など歯周病のリスクを上げるような環境にさらされているケースが多いので、気付いた時には、歯周病が進行してしまっている割合は多いかもしれません。
歯周病はさまざまな全身の病気に関係があるとされていますが、その恐れが認知症にまで広がると、歯周病に悩む人にとっては大変心配なニュースでもあります。
しかし、歯周病と認知症の関係性は、大きく分けて2つの考え方があるため、現時点では少し慎重になる必要がありそうです。
1つ目は、歯が抜けて、食べ物が噛めなくなると、脳に刺激がいかず機能障害が出るのではないか?と考えられています。
これは、体の使わなくなった器官の組織が、外部からの刺激がいかないことにより萎縮し機能不全に陥るという考えです。
廃用萎縮とも言われており、寝たきりの高齢者が、いざ立ち上がろうとしても、動かないことにより筋肉などが衰え、力が入らなくなってしまうのと同じ状態を指します。
2つ目は、歯周病による細菌感染やそれに伴う炎症の広がりが原因なのではないのかと考えられています。
しかし、実際には持続的な菌血症は見られず、歯周病で非生理的血中濃度の上昇も伴いません。
菌血症とは、本来であれば血液は無菌であるのだが、血流に細菌が存在している状態を言います。
菌血症はとても身近なところに原因があります。
それは、歯磨きです。
歯科治療でも起こるとされてはいますが、歯磨きをして歯茎から血が出ると細菌が血管内に侵入してしまいます。
血中に入った菌は30分もしないうちに、検出できなくなるとされており、特に脳へは『血液脳関門』と呼ばれる細菌が侵入しないためのバリアがありますので、簡単には脳内に侵入することはできません。
一時的に菌血症が起きたとしても、他の組織に影響をあたえずに脳内へと移ることは考えにくいため、どのようにして脳内へと感染するのか、はっきりとした感染経路を示す必要があります。
歯周病との因果関係で、最も有名な疾患が糖尿病との関係です。
糖尿病は自己免疫に関係している白血球の働きを弱まらせてしまいますので、歯周病菌に感染していると菌の増殖が早く、歯周病が進行してしまいます。
さらに、感染に伴う炎症によりインスリンの効果を弱めてしまうため血糖値が下がりにくく、糖尿病も重篤化してしまうといった悪循環が結果的に起こってしまうのです。
これらの悪循環状態をそのままに放置してしまうと、糖尿病による合併症が影響する可能性があります。
高血糖による失明や腎不全、手足の神経に異常をきたし神経障害や血行障害による足の切断など、合併症にはさまざまなものがあり、直接死亡リスクに関係する症状を引き起こすことも分かってきました。
歯周病は細菌の感染症ですので、『誤嚥性肺炎』や『細菌性心内膜炎』も歯周病菌が感染に直接関係する可能性が指摘されています。
また、歯周病は狭心症、心筋梗塞、動脈硬化などの日本人の3大死因の一つである疾患にも関係しています。
「歯周病は口の中だけの病気ではなく、『全身に影響を及ぼす感染症』と考え、口の中のケアを継続することが大切です」
このような重篤な症状にならないためにも、警告し、早期の治療を促しています。
歯周病や虫歯の予防は定期的なケアが大切です。
できれば毎日の歯磨きとデンタルフロス、マウスリンスなどをするのがベストですが、そういった歯のケアが難しい方々のために私達がいます。
歯周病を予防するためには、毎日のケアと専門家の力を借りて継続的に予防するのが一番です。
様々な病気のもととなる歯周病ですが、地道なケアで防いでいくしか近道はありません。
歯周病は様々な因子や環境によって引き起こされ変化します。
さらに複雑な要因が絡み合う高齢者の歯周病治療は、その方の状態に合わせて治療方針を変更して対応していきます。