歯の汚れをきれいにするスケーリングについて解説します!

2023年7月9日

歯垢(プラーク)とは口の中に溜まる代表的な汚れの1つです。
このプラークが石灰化して石のように硬くなったものを歯石といいます。
歯科医院に行った際、歯石を取るために、歯科医師または歯科衛生士にスケーリングをしてもらったことがある方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、スケーリングの目的と注意点、自宅でできるセルフケアについてご紹介します。

□歯の汚れをきれいにするスケーリングとは?

歯科医師や歯科衛生士がスケーラーと呼ばれる専用の機器を使用して、歯石を取り除く治療のことを「スケーリング」といいます。
ここでは、スケーリングを行う主な目的についてご紹介します。

1つ目は、歯周病や虫歯を予防するためです。
毎日、歯を磨く習慣があったとしても、たまに歯磨きを忘れて寝てしまったり、磨き残しによって歯垢が残り、それが溜まってしまったりする場合があります。
歯ブラシで磨きにくい部分の歯垢はどうしても残ってしまいがちです。

溜まってしまった歯垢は、唾液に含まれるカルシウムと混ざることによって石灰化し、そして歯石へと変化していきます。
歯石そのものは有害ではありませんが、歯石の小さな穴から細菌が増殖して毒素を出し、歯周病を引き起こします。

また、歯石を放置してしまうと、さらに歯垢が溜まり、虫歯菌が増殖してしまいます。
虫歯は、歯を構成する象牙質(ぞうげしつ)やエナメル質を溶かしてしまう恐れがあり、原因となる歯石を取り除くことで、虫歯菌が繁殖しにくい環境を作れます。

2つ目は、口臭が強くなるのを防ぐためです。
歯垢や歯石が蓄積すると、口臭がきつくなってしまいます。
これは、口の中に繁殖した細菌が食べカスを分解する際に、ガスを発生させるためです。

3つ目は、健康を維持するためです。
歯周病は、糖尿病のような生活習慣病や動脈硬化などと深い関係があるといわれています。
歯周病の原因となる歯石を取り除くことは、健康な体の維持にも関係しているということです。

□スケーリングの注意点とは?

先程、スケーリングの目的について解説しましたが、3つの注意点があります。

1つ目に、出血することがある点です。

歯周ポケットが深いと、歯石を取り除く際に歯茎が出血してしまうことがあります。
したがって、歯周ポケット内から歯石を取り除く前には、麻酔を施す必要があります。

2つ目に、歯茎が下がって見える点です。

スケーリング後、処置前と比べると歯茎が下がっているように見えることがあります。
健康な歯を保つために処置を受けたのに、なぜ症状が悪化しているのかと疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。

多くの場合、実際には歯茎が下がっているのではなく、下がっているように見えるだけです。
スケーリングを行うと、それまで歯石で覆われていた歯の根元の表面が露出してしまうことで、歯茎が下がったように見えてしまうのです。

3つ目に、歯と歯の隙間が目立つ点です。

歯石が歯と歯の間に付いている場合、スケーリング後の見た目が変化する可能性があります。
具体的な例として、歯と歯の隙間が目立つことが挙げられます。

これは、スケーリングを行ったことによって、実際に歯の隙間が広がったというわけではありません。
これまで歯に蓄積していた歯石が取り除かれたことで、歯と歯の隙間が目立つように見えることが原因です。

薬局でもスケーラーは購入できるため、自分でスケーリングを行えます。

しかし、スケーラーの取り扱い方法を間違えてしまうと、歯や歯茎を傷つけて深刻なダメージを与えてしまうため、基本的には歯科医院で処置を受けるのがおすすめです。

□歯をきれいに保ちたい!自宅でできるセルフケアとは?

歯石は時間の経過とともに歯に蓄積していきます。
歯周病や虫歯を予防するには、歯科医院でスケーリングを受けることが重要となりますが、歯石が発生する前兆である歯垢を取り除くことも重要です。
ここでは、自宅でできるセルフケアを2つご紹介します。

1つ目に、正しく歯磨きをすることです。

正しい歯磨きをするには、以下のポイントに気をつけて磨くようにしましょう。

・力を入れずに磨く
・鏡を見ながら磨く
・歯磨き粉はブラシの長さ3分の1ぐらいの量にする
・歯ブラシは歯と歯肉の間に斜め45度にいれて振動させる

2つ目に、デンタルフロスで仕上げることです。

どれだけ歯ブラシで丁寧に磨いても、口の中の汚れは60%しか落とせないといわれています。
そこで、毎日のブラッシングにデンタルフロスをあわせて使用することで、60%しか落とせなかった汚れを90%まで落とせるようになります。

デンタルフロスの使い方としては、糸を指に巻き付け、歯と歯の間にフロスをゆっくりと入れ、前後に動かします。
歯垢が取れたら、ゆっくりとフロスを引き抜きましょう。

□まとめ

歯石を取り除くことは、歯や歯茎をきれいに美しく見せるだけでなく、虫歯や歯周病の予防、さらには口臭の解消にもつながります。
毎日のセルフケアを大切にし、定期的に歯科医院に通い、お口の中を清潔に保ちましょう。

高槻市、茨木市、摂津市、交野市、寝屋川市、枚方市周辺で歯に関してお困りのことがあれば、当院までご相談ください。

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